27

友人たちとの立ち上げたファッションプロジェクト。
「最小限のクローゼット」をテーマに27品目の洋服を提案します。

https://readyfor.jp/users/887433

27-04

『27』の4着目のリリースとなるVol.04<27-04>は「白いシャツ」です。

その起源は古代ローマまで遡ると言われており、中世以降は身体に直接触れる肌着として日常的に着用されてきたシャツですが、19〜20世紀にかけてシャツに求められるシチュエーションが多様化したことにより、その後は肌着としてだけでなく様々な形に姿を変えながら現代人の生活にも溶け込んでいます。中でも「白いシャツ」はビジネスシーンや冠婚葬祭など、ややフォーマルな場面で着用されることが多いのではないかと思います。本プロジェクトでは、現代人にとっても必需品である「白いシャツ」を『27』の視点で、最高の日常着に仕上げたいと考えています。


生地について
『27』が選んだ究極の白いシャツは80番双糸のブロード素材です。もしかすると、良質なシャツ生地を想像する時に「シルキーで高番手、生地そのものが非常に薄いもの」を思い浮かべる方が多いかもしれません。しかし、私たちは日常着として必要な生地の厚みや強度、吸水性を求めるため、一般的な高級シャツに見られる「きめの細かい薄手の生地」ではなく、少し厚手の生地の中で究極の肌触りやコシ、滑らかさを持つ生地を探しました。近年では低価格の高番手生地が市場に溢れていますが、原綿自体が最高品質の綿花であることが重要だと考えたためです。例えるなら最高のお米を探すような、シンプルであるがゆえに非常に難しい判断を繰り返した結果、現在では市場に殆ど流通していないクオリティの、ラグジュアリーとベーシックを同時に感じることのできる特別な生地を見つけることができました。

世界中に無数にある白いシャツ生地の中で『27』が選んだのは、スイスの美しい水と透き通った空気の下、100年前からシャツ生地を生産し続けているALUMO社の生地です。ALUMO社は高級なコットンシャツを中心に展開しているテキスタイルメーカーで、HermesやBRIONIといったラグジュアリーブランドを顧客に持つことで知られていますが、その品質の高さを今回改めて感じることが出来ました。生地を織る前の糸の状態から、良質な綿花の繊維を傷めないように人の手で一つ一つ丁寧に摘んでいき、成熟にあわせて必要であれば更に何度も摘んでいきます。職人の技と想いによって手間隙をかけて収穫されたものから作られているのです。

また、環境問題に熱心なスイスならではの質の高い仕事により、生地の生産過程においてホルマリンを一切使用せず、近代的な織機で長年蓄積された生産技術によって揺るぎない品質を実現しています。1世紀前から当然のようにサスティナブルなものづくりを行っている姿勢にも共感し、品質がそれを証明していると感じたため、無数にある選択肢の中からこの生地を選びました。


縫製について
今回『27』は、1988 年の創業以来、着心地のための手間隙を惜しまず、高品質なドレスシャツを作り続けてきたHITOYOSHIに縫製を依頼しました。クラシックを理解した上でカジュアルにも着られる白いシャツに仕上げるため、縫製面においても様々な工夫を重ねました。先ず、襟を美しく表現するために、襟の表地と裏地の大きさを変えて生地を裁断しています。表裏の大きさが違うものを丁寧に合わせて縫うことによって縫い上がった襟は自然なカーブを描きます。湾曲した特注の押え器具がついたミシンを使用して縫製を行うことにより襟の表裏の生地を数ミリほど長さを変えて縫製し、更に立体感を持たせることができます。着用した状態の襟元を見ると美しい曲線を描いていることがおわかりいただけると思いますが、この一手間をかけることで洗濯しても首のラインに襟が自然に沿い、着用感が増します。

幅広いコーディネートにお応えするために、ボタンを外したときにも襟元が美しく立ち上がるように台襟を工夫しました。台襟は先端に向かうほど上へとカーブしていますが、身頃に襟を縫い付ける際には熟練した技術が必要となります。カーブすることで台襟ボタンを閉じたときに首周りの吸い付きが格段に上がり、ステッチ(運針幅)がシャツの印象を左右します。ステッチが細かいほどシャツはやわらかくエレガントに見えるため、一般的なワイシャツは3cm間に16〜18 針ですが、『27』のシャツは、21〜24針に設定されています。この細かなステッチによってシャツ全体が洗練された雰囲気に仕上がります。

「ガゼット」と呼ばれる裾のサイドに取り付けられたマチは、着用時に生地が裂けないように補強する役割があります。補強という機能性だけでなく、デザインの一つとしても「ガゼット」を取り入れました。また、全体の印象に大きな役割を果たすボタンについても、 天然の貝釦を使用しています。貝釦にはいくつか種類がありますが、白蝶貝のものを採用。天然の貝釦は原貝から形をくりぬき、成形、加工とたくさんの工程を有しますが、それは真珠と同様の加工方法を施していく芸術品でもあります。

シャツの内側の始末にも気を遣っています。脇の縫い目を裏から見ていただくと、縫い代が見えず袋状に内側に縫い込まれ、フラットに仕上がっていることがわかります。これは巻き伏せ本縫いという高度な技術です。また、縫い幅を細くすることでシルエットがすっきり仕上がり裏の縫い代が肌にあたってゴロつくことがなく、着心地がよくなります。袖の付け方は、腕の動きがスムーズになるようジャケットと同じように前振り袖を採用しています。腕の可動域が広がるように、袖下と脇の縫い合わせの工程を分けています。立体的でとても着やすい仕様ではありますが、縫製となると誰もが簡単に縫えるものではありません。工場の職人の中でも数名しかこの方法で縫えませんし縫製時間もかかりますが、すべては着心地を最優先にするためのこだわりです。

今回のVol.04<27-04>はこれまでの販売方法とは異なり、生地の生産の関係で70枚分限定でのご用意となります。日本は勿論、スイスにもこの生地はこれ以上残っていないためです。その原因の一つとして、最良の綿花を使っているのにもかかわらずシルキーな高番手生地を好まない私たちのような非合理的なオーダーが世界中で減っているからだと思われます。解りやすさや多数の共感が求められる時代の中で、唯一性を持ったこのような生地が今後も生産され続けることを私たちは願っています。(良質な生地を前提とした上で)生地の選択は一つでも多い方が豊かだと思いますし、一度忘れ去られることによって失うものの大きさと意味は、計り知れないのではないでしょうか。『27』は希少性の高いものを残すプロジェクトではありませんが、良質なものは積極的に未来に繋いでいきたいと思っています。またと無いこの機会に是非、最高の「白いシャツ」をお選びになってみてください。


27のベーシックを提案するプロジェクト”27” Vol.04

https://readyfor.jp/projects/72141

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